10/9 01:24 UP!
うれない恋#02
うれない恋02
あの日からモモとは毎日この喫茶店で会っている。僕がネタを書いているとモモが来て二人でコーヒーを一杯飲む。既婚者のモモがコーヒーを飲みながら小説を読む、たまたま隣に僕が座っている、たまたまなんだ、このお店だけが僕たち二人の唯一の繋がりだった。
今日もモモは同じ席に座り、同じ小説を開く、毎日開く小説のページは進まないのに僕たちの話は進んでいく。
「めちゃくちゃキレイになったな、美しいよモモ」
モモは長かったその髪をばさりと切ってショートヘヤになっていた。髪を切ったモモは、その細い首、細い顎がより目立って美しかった。
「ユユが短い方が好きって言ってたから切ってみた。」
「めっちゃ似合ってるよモモ」
「なんてね、本当は入院したら長いと面倒だとおもってね」
「きれいだよ」
「ちょっと見すぎだよユユ恥ずかしいよ」
「モモ、カーディン反対じゃない?」
「やだ恥ずかしいよもー、変な所ばっか気が付くんだからーバカ!」
モモがカーディガンを脱ぐのを手伝った。僕の顔とモモの顔が近づいて、モモが僕の肩に手を置いた。一度知ってしまったモモの唇の感触が僕のほっぺたを赤くする。あの日のモモの肌の温度が僕の心をグッと熱くした。この服の下にあの日見たモモの姿がある、この服をはぎ取ってしまおうか?そんな衝動が僕の手に汗をかかせて、でもそんな事できるはずもなくただモモを見つめてた。そんな僕にモモが気が付いて恥ずかしそうに顔を両手で隠した。僕はその両手を掴んで、強引にキスをした。そのキスは橋を渡ったそんな感覚だった。いや、橋を落としたんだと思う。モモが驚いたような顔で僕を見つめて言った、
「ねぇユユは嫉妬とかする?」
嫉妬?なんでそんな事を聞くんだろう?もともと僕は嫉妬なんてするタイプじゃないし、モモに嫉妬できる立場じゃない、だから正直に言った。
「しないよ」
「2、3日ユユがこのお店に来なかった日あるでしょ?」
「僕体調悪くて寝込んでたんだよ」
「そうなんだ、、、そんなユユにごめんね、正直に言うけどね、、、、私ユユじゃない男に抱かれてみたの。ナンパされて、、、でもね、抱かれてみてわかったの、私やっぱりユユがいいって。」
急に僕の頭の中をいろんな想像が走って感情が追い付かなかった。え?モモのこの肌に違う男が触れたの?旦那が居ることは知ってた、、、ただこのお店で会うだけの人、、、でもなんだよ、なんでそんな事言うんだよ。気が付いたら僕は嫉妬していて、気が付いたら僕達はホテルに来ていた。
ぎこちなく服を脱ぐ二人、他の女性とならこんなに緊張しないのにモモが目の前にいると恥ずかしくて、緊張して、今日ダサいパンツ履いてない?足の爪切ったっけ?とか余計なことばかり考えてた。会話も続かず、
「部屋寒くない?」
そんな事を言うので精一杯だった。そんな僕に
「ユユ落ち着いて」
モモが心配そうにそう言った。この人には全部がお見通しなんだな、緊張してることもバレてたんだ、もうかっこつけなくてもいいや、そう思ったら自然と手が伸びてモモの手を握り、その小さな手の甲にキスをした。モモは何も言わずに僕を見ていた。丸くて、キラキラしていて優しい目だった。僕はモモの細い肩を抱き寄せて強い力で抱きしめた。抱きしめたモモの体が小さくて、今日までこんなに小さな体で頑張って来たんだ、、、そう思うと守ってあげたくて、、、この抱きしめた腕をほどけなかった。
「とどかない」
そう言うモモを見ると、背伸びして僕にキスをしようとしていた。そんなモモが可愛くて長いキスをした。キスをしながらモモの髪をなでて、そのままうなじへ背中へと手をなぞってくと、モモの口が大きく開いて、キスをつづけられずに呼吸を乱して、モモが僕の腰に回した手が爪を立てて必死に僕の体につかまっていた。もう一度キスをするとモモの体から力が抜けて、僕が手を離したらモモがそのまま倒れてしまいそうだった。僕はモモの僕はモモの両膝を抱えてそのまま持ち上げた。
「重いよー」
そう言うモモが僕の首に両手を回して恥ずかしそうに顔を僕の胸の中に埋めてた。僕はお姫様抱っこでモモをベットに連れて行っき、モモの軽い体が羽を落としたみたいにベッドに落ちていく。ベッドに横になったモモの腰の上に僕の腰を下ろして上からモモを見つめた。モモが両手を伸ばして僕の頭を抱えてキスをした。そのまま僕の唇をモモの体にくっつけて全身を愛した。モモのお腹に太ももにひざ、キスをするたびにモモが息を漏らす。少し汗で濡れたその体は豆腐のように僕の唇にくっついて、柔らかくて、湖面のようにキラキラと美しかった。モモが言う
「ねぇユユ、して、、、」
そんなモモを僕は不思議に見つめて言った。
「どうしたの?」
「さたくなっちゃって、ユユはしたくないの?」
「ちがうそうじゃない、、」
「ごめん、求めすぎちゃったよね、、、私結婚してるし、ルール違反だよね、、、」
「そうじゃない、、、どうしたの?」
僕はモモの中にあるなにかが見えたきがした。なにか違和感があった。言葉に何かを含んでるきがして。聞いた。
「どうしたのモモ?なにかあった?」
「ううん、ごめん、、、なんでもないの、、、」
そういうとモモ声を出さずに静かに泣き出した。僕はそんなモモを抱きしめて髪をなでた。声を出さずに泣くモモが僕の胸元を少しずつ濡らした。しばらくするとモモが僕の腕をほどいて自分で涙をぬぐって言った。
「私手術で子宮をとるの、、、、体が変わっちゃうことが怖くて。もうユユで感じなくなっちゃうかもしれない、、、きっと今日が最後のチャンスだったんだ、、、、でもごめんね困らせて。」
そんなことないよ、困ってなんかない、今この一瞬だけでもあなたを幸せで包みたい、そう伝えたくてモモの肩を力いっぱい抱き寄せて、涙がつかうほっぺたにキスをして、体を一つにつなげてしまおうとした。でも勃起しなかった。はじめて会った日は勃起したのに、、ルールとか手術とか、なんだろう複雑になっちゃった。
僕は静かにモモを抱きしめた。モモが何度も言う
「愛してるよユユ、、、」
ホテルを出て二人で駅まで歩いていた。あと少しでモモと別れてしまう、もう会うことも無いのかもしれない。きっとその方がいいのかもしれない、ただ素敵な夢をみただけなんだ。今までの日常に戻るだけだ。駅が見えて、なんてお別れを言えばいいか考えていた、
「家に来ない?」
モモがそう言った。
「いいの?」
「入って」
モモが玄関を開けた。暗い家に明かりが灯る。家の中はキレイで知らないものがいっぱいあった。
「タバコ吸うよね?」
そう言ってモモがキッチンの換気扇の下に僕の手を取って連れていき連れていき、
「いつもここにいるんだ」
そう言うと、キッチンに一つの小さな椅子があった。椅子の前には鍋の載ったコンロがあり、コンロの隣にモモが吸ってるタバコのカートンがおかれてた、いつもモモはここに居るんだ、僕と会っていない時間はここに、、、その椅子に僕が座って、僕の膝の上にモモが座った。二人でタバコを吸って、音の無い部屋に二人の話声がふくらむ。今まで入り込めなかったモモの心の深いところに座っているみたいで幸せだった。モモが僕にいろんな話をしてくれた。仕事の事に、体のことに、家族の事に、、、ももがなんとなく言った
「ごめんね家ちらかってて」
「そんな事ないよ、かたずいてるよ、こんなにきれいに保つのは大変な事だよ!!」
「私、家政婦さんだから」
モモは悲しそうな顔をしてた。きっと普段の生活でそうやってプライドを傷つけられたんだ、僕はモモを後ろから抱きしめた。
「俺ならモモをそんな顔させないのに、、、」
そう言おうとしたけど言葉にできなかったから抱きしめた。なんだろうか、モモの事が少しずつ分かってきたきがする。今モモが黙った、きっと涙を我慢してる。僕が言う、
「どうしたのモモ?」
「ううん、、、なんでもない」
「そんなことないよ?なにかあるんでしょ?教えて?」
「なんでもないの、、、、」
そういってるモモのほっぺたと僕のほっぺたをくっつけた。モモのほっぺたは濡れていた。
「モモ、、心配だよ、、、ゆっくりでいいし、変な声になってもいいよ?少しずつでいいから教えて?」
「やだ、、、」
「ねぇ、一人の問題にしないでモモ?二人で考えよ?二人で考えたらきっといい答えが見つかると思うから、、ねぇ?」
「なんでもないの、、、」
「もも、、、もう今までの僕たちじゃないんだよ、もう、あなたの問題は僕の問題でもあるんだよ、お願い教えて、僕を傷つけてもいいんだよ?言葉を選ばないで、、長くなってもいいよ、あなたの中でなにがおきてるの?教えてモモ、、、、」
「言わない!!なにも言いたくないもう聞かないで!」
「じゃあ、、、お願い、ユユって言って?それだけ、ユユって言って、」
「べー」
「べーじゃない!!ユユって言って。」
「べー」
「よし!べーって言えるようになったね!!大きな一歩だ!!ユユって言って!!」
「べー」
「もー!!モモ!!」
そんな僕を見てモモが笑った。そんなモモの髪を撫でて首筋にキスをした。するとモモは息を乱して力をためて重たい言葉を力一杯にゆっくり出した。
「だってさ、ユユはさ、、モテるでしょ?私はユユよりもずっと年上だし、、、結婚してるし、若くて可愛い女の子が来たらユユはすぐにその子の事が好きになっちゃうんでしょ?」
僕は思った、そんな事?そんなことか?だから正直に言った。
「そんな事ないよ、こんなに可愛くて、こんなに不安定で、こんなにどうしよもない、、、愛してるよモモ、この小さな体この形が全部愛なんだ。この形全部が僕の愛だよモモ」
「愛してるって言葉じゃ言えるよ?誰にでも言える、、、、私じゃない女の子にも言えるでしょ?だから目に見えるもので欲しい。ユユの事を困らせてる事は分かってる、でも不安なの、ねぇユユは私の物だって目に見える約束が欲しいの、、、」
「愛してるよモモ」
「私も愛してるユユ、あなたが思ってるよりもずっと愛してるよユユ。。。」
二人はずっと抱き合ってた。この小さな椅子の上この大きさが地球なら、、、
離れられなかった、この柔らかくて優しい場所から、、、
「このタバコを吸ったら行くね」
そう言ったらモモがまだ長いタバコを僕から取り上げて、新しいタバコを渡して言った。
「このタバコがね」
そのタバコがなくなって、その次のタバコがなくなって、、、、
離れられなかあったモモの魅力から、、、、
外が明るくなりだしたころ僕はモモの家の玄関で靴をはいていた。そんな僕にモモが紙袋を渡した。
玄関を出て紙袋の中身を見る、おにぎりが3つ入っていた。そのまま寝ないで仕事に出た、職場でおにぎりを食べた。ずっと一人で戦ってきた職場、愚痴なんて誰にも言った事のない職場、、、、
辛くないんなんて言ったら嘘になる、でも誰にも言わなかった、、、その職場でモモのおにぎりを食べた、、、、気がついたら泣いていた。モモがここまでついてきた、今気がついた生活の全部にモモがいる。
あなたに勇気をもらってる。ずっとあなたの事ばかり考えてる。愛してるよモモいつもあなたのことばかり考えてる。もも、あなたのくれた力で今日も僕は仕事ができてる。嬉しいんだ。こんんあにうれしいプレゼントを貰ったことはないよ。モモ、いつもありがとう、このおにぎりの味は一生忘れないよ。こんなに優しい味を感じたことはないよ。いつもあなたは不安になるけど、、、でも僕はあなたの事を愛してる。この愛が少しでも伝わるように毎日あなたを大切にする。だたか少しずつでいいから二人で不安を取り除いていこう?
愛してるよモモ?今日もあなたをあいしてる。きっと明日も明後日もね。
そして2日後、、、
つづく
あの日からモモとは毎日この喫茶店で会っている。僕がネタを書いているとモモが来て二人でコーヒーを一杯飲む。既婚者のモモがコーヒーを飲みながら小説を読む、たまたま隣に僕が座っている、たまたまなんだ、このお店だけが僕たち二人の唯一の繋がりだった。
今日もモモは同じ席に座り、同じ小説を開く、毎日開く小説のページは進まないのに僕たちの話は進んでいく。
「めちゃくちゃキレイになったな、美しいよモモ」
モモは長かったその髪をばさりと切ってショートヘヤになっていた。髪を切ったモモは、その細い首、細い顎がより目立って美しかった。
「ユユが短い方が好きって言ってたから切ってみた。」
「めっちゃ似合ってるよモモ」
「なんてね、本当は入院したら長いと面倒だとおもってね」
「きれいだよ」
「ちょっと見すぎだよユユ恥ずかしいよ」
「モモ、カーディン反対じゃない?」
「やだ恥ずかしいよもー、変な所ばっか気が付くんだからーバカ!」
モモがカーディガンを脱ぐのを手伝った。僕の顔とモモの顔が近づいて、モモが僕の肩に手を置いた。一度知ってしまったモモの唇の感触が僕のほっぺたを赤くする。あの日のモモの肌の温度が僕の心をグッと熱くした。この服の下にあの日見たモモの姿がある、この服をはぎ取ってしまおうか?そんな衝動が僕の手に汗をかかせて、でもそんな事できるはずもなくただモモを見つめてた。そんな僕にモモが気が付いて恥ずかしそうに顔を両手で隠した。僕はその両手を掴んで、強引にキスをした。そのキスは橋を渡ったそんな感覚だった。いや、橋を落としたんだと思う。モモが驚いたような顔で僕を見つめて言った、
「ねぇユユは嫉妬とかする?」
嫉妬?なんでそんな事を聞くんだろう?もともと僕は嫉妬なんてするタイプじゃないし、モモに嫉妬できる立場じゃない、だから正直に言った。
「しないよ」
「2、3日ユユがこのお店に来なかった日あるでしょ?」
「僕体調悪くて寝込んでたんだよ」
「そうなんだ、、、そんなユユにごめんね、正直に言うけどね、、、、私ユユじゃない男に抱かれてみたの。ナンパされて、、、でもね、抱かれてみてわかったの、私やっぱりユユがいいって。」
急に僕の頭の中をいろんな想像が走って感情が追い付かなかった。え?モモのこの肌に違う男が触れたの?旦那が居ることは知ってた、、、ただこのお店で会うだけの人、、、でもなんだよ、なんでそんな事言うんだよ。気が付いたら僕は嫉妬していて、気が付いたら僕達はホテルに来ていた。
ぎこちなく服を脱ぐ二人、他の女性とならこんなに緊張しないのにモモが目の前にいると恥ずかしくて、緊張して、今日ダサいパンツ履いてない?足の爪切ったっけ?とか余計なことばかり考えてた。会話も続かず、
「部屋寒くない?」
そんな事を言うので精一杯だった。そんな僕に
「ユユ落ち着いて」
モモが心配そうにそう言った。この人には全部がお見通しなんだな、緊張してることもバレてたんだ、もうかっこつけなくてもいいや、そう思ったら自然と手が伸びてモモの手を握り、その小さな手の甲にキスをした。モモは何も言わずに僕を見ていた。丸くて、キラキラしていて優しい目だった。僕はモモの細い肩を抱き寄せて強い力で抱きしめた。抱きしめたモモの体が小さくて、今日までこんなに小さな体で頑張って来たんだ、、、そう思うと守ってあげたくて、、、この抱きしめた腕をほどけなかった。
「とどかない」
そう言うモモを見ると、背伸びして僕にキスをしようとしていた。そんなモモが可愛くて長いキスをした。キスをしながらモモの髪をなでて、そのままうなじへ背中へと手をなぞってくと、モモの口が大きく開いて、キスをつづけられずに呼吸を乱して、モモが僕の腰に回した手が爪を立てて必死に僕の体につかまっていた。もう一度キスをするとモモの体から力が抜けて、僕が手を離したらモモがそのまま倒れてしまいそうだった。僕はモモの僕はモモの両膝を抱えてそのまま持ち上げた。
「重いよー」
そう言うモモが僕の首に両手を回して恥ずかしそうに顔を僕の胸の中に埋めてた。僕はお姫様抱っこでモモをベットに連れて行っき、モモの軽い体が羽を落としたみたいにベッドに落ちていく。ベッドに横になったモモの腰の上に僕の腰を下ろして上からモモを見つめた。モモが両手を伸ばして僕の頭を抱えてキスをした。そのまま僕の唇をモモの体にくっつけて全身を愛した。モモのお腹に太ももにひざ、キスをするたびにモモが息を漏らす。少し汗で濡れたその体は豆腐のように僕の唇にくっついて、柔らかくて、湖面のようにキラキラと美しかった。モモが言う
「ねぇユユ、して、、、」
そんなモモを僕は不思議に見つめて言った。
「どうしたの?」
「さたくなっちゃって、ユユはしたくないの?」
「ちがうそうじゃない、、」
「ごめん、求めすぎちゃったよね、、、私結婚してるし、ルール違反だよね、、、」
「そうじゃない、、、どうしたの?」
僕はモモの中にあるなにかが見えたきがした。なにか違和感があった。言葉に何かを含んでるきがして。聞いた。
「どうしたのモモ?なにかあった?」
「ううん、ごめん、、、なんでもないの、、、」
そういうとモモ声を出さずに静かに泣き出した。僕はそんなモモを抱きしめて髪をなでた。声を出さずに泣くモモが僕の胸元を少しずつ濡らした。しばらくするとモモが僕の腕をほどいて自分で涙をぬぐって言った。
「私手術で子宮をとるの、、、、体が変わっちゃうことが怖くて。もうユユで感じなくなっちゃうかもしれない、、、きっと今日が最後のチャンスだったんだ、、、、でもごめんね困らせて。」
そんなことないよ、困ってなんかない、今この一瞬だけでもあなたを幸せで包みたい、そう伝えたくてモモの肩を力いっぱい抱き寄せて、涙がつかうほっぺたにキスをして、体を一つにつなげてしまおうとした。でも勃起しなかった。はじめて会った日は勃起したのに、、ルールとか手術とか、なんだろう複雑になっちゃった。
僕は静かにモモを抱きしめた。モモが何度も言う
「愛してるよユユ、、、」
ホテルを出て二人で駅まで歩いていた。あと少しでモモと別れてしまう、もう会うことも無いのかもしれない。きっとその方がいいのかもしれない、ただ素敵な夢をみただけなんだ。今までの日常に戻るだけだ。駅が見えて、なんてお別れを言えばいいか考えていた、
「家に来ない?」
モモがそう言った。
「いいの?」
「入って」
モモが玄関を開けた。暗い家に明かりが灯る。家の中はキレイで知らないものがいっぱいあった。
「タバコ吸うよね?」
そう言ってモモがキッチンの換気扇の下に僕の手を取って連れていき連れていき、
「いつもここにいるんだ」
そう言うと、キッチンに一つの小さな椅子があった。椅子の前には鍋の載ったコンロがあり、コンロの隣にモモが吸ってるタバコのカートンがおかれてた、いつもモモはここに居るんだ、僕と会っていない時間はここに、、、その椅子に僕が座って、僕の膝の上にモモが座った。二人でタバコを吸って、音の無い部屋に二人の話声がふくらむ。今まで入り込めなかったモモの心の深いところに座っているみたいで幸せだった。モモが僕にいろんな話をしてくれた。仕事の事に、体のことに、家族の事に、、、ももがなんとなく言った
「ごめんね家ちらかってて」
「そんな事ないよ、かたずいてるよ、こんなにきれいに保つのは大変な事だよ!!」
「私、家政婦さんだから」
モモは悲しそうな顔をしてた。きっと普段の生活でそうやってプライドを傷つけられたんだ、僕はモモを後ろから抱きしめた。
「俺ならモモをそんな顔させないのに、、、」
そう言おうとしたけど言葉にできなかったから抱きしめた。なんだろうか、モモの事が少しずつ分かってきたきがする。今モモが黙った、きっと涙を我慢してる。僕が言う、
「どうしたのモモ?」
「ううん、、、なんでもない」
「そんなことないよ?なにかあるんでしょ?教えて?」
「なんでもないの、、、、」
そういってるモモのほっぺたと僕のほっぺたをくっつけた。モモのほっぺたは濡れていた。
「モモ、、心配だよ、、、ゆっくりでいいし、変な声になってもいいよ?少しずつでいいから教えて?」
「やだ、、、」
「ねぇ、一人の問題にしないでモモ?二人で考えよ?二人で考えたらきっといい答えが見つかると思うから、、ねぇ?」
「なんでもないの、、、」
「もも、、、もう今までの僕たちじゃないんだよ、もう、あなたの問題は僕の問題でもあるんだよ、お願い教えて、僕を傷つけてもいいんだよ?言葉を選ばないで、、長くなってもいいよ、あなたの中でなにがおきてるの?教えてモモ、、、、」
「言わない!!なにも言いたくないもう聞かないで!」
「じゃあ、、、お願い、ユユって言って?それだけ、ユユって言って、」
「べー」
「べーじゃない!!ユユって言って。」
「べー」
「よし!べーって言えるようになったね!!大きな一歩だ!!ユユって言って!!」
「べー」
「もー!!モモ!!」
そんな僕を見てモモが笑った。そんなモモの髪を撫でて首筋にキスをした。するとモモは息を乱して力をためて重たい言葉を力一杯にゆっくり出した。
「だってさ、ユユはさ、、モテるでしょ?私はユユよりもずっと年上だし、、、結婚してるし、若くて可愛い女の子が来たらユユはすぐにその子の事が好きになっちゃうんでしょ?」
僕は思った、そんな事?そんなことか?だから正直に言った。
「そんな事ないよ、こんなに可愛くて、こんなに不安定で、こんなにどうしよもない、、、愛してるよモモ、この小さな体この形が全部愛なんだ。この形全部が僕の愛だよモモ」
「愛してるって言葉じゃ言えるよ?誰にでも言える、、、、私じゃない女の子にも言えるでしょ?だから目に見えるもので欲しい。ユユの事を困らせてる事は分かってる、でも不安なの、ねぇユユは私の物だって目に見える約束が欲しいの、、、」
「愛してるよモモ」
「私も愛してるユユ、あなたが思ってるよりもずっと愛してるよユユ。。。」
二人はずっと抱き合ってた。この小さな椅子の上この大きさが地球なら、、、
離れられなかった、この柔らかくて優しい場所から、、、
「このタバコを吸ったら行くね」
そう言ったらモモがまだ長いタバコを僕から取り上げて、新しいタバコを渡して言った。
「このタバコがね」
そのタバコがなくなって、その次のタバコがなくなって、、、、
離れられなかあったモモの魅力から、、、、
外が明るくなりだしたころ僕はモモの家の玄関で靴をはいていた。そんな僕にモモが紙袋を渡した。
玄関を出て紙袋の中身を見る、おにぎりが3つ入っていた。そのまま寝ないで仕事に出た、職場でおにぎりを食べた。ずっと一人で戦ってきた職場、愚痴なんて誰にも言った事のない職場、、、、
辛くないんなんて言ったら嘘になる、でも誰にも言わなかった、、、その職場でモモのおにぎりを食べた、、、、気がついたら泣いていた。モモがここまでついてきた、今気がついた生活の全部にモモがいる。
あなたに勇気をもらってる。ずっとあなたの事ばかり考えてる。愛してるよモモいつもあなたのことばかり考えてる。もも、あなたのくれた力で今日も僕は仕事ができてる。嬉しいんだ。こんんあにうれしいプレゼントを貰ったことはないよ。モモ、いつもありがとう、このおにぎりの味は一生忘れないよ。こんなに優しい味を感じたことはないよ。いつもあなたは不安になるけど、、、でも僕はあなたの事を愛してる。この愛が少しでも伝わるように毎日あなたを大切にする。だたか少しずつでいいから二人で不安を取り除いていこう?
愛してるよモモ?今日もあなたをあいしてる。きっと明日も明後日もね。
そして2日後、、、
つづく